みやこのしこう

通称みやこ目みやこ科みやこ属みやこの、あんまりいないらしいみやこという生き物の生態のひとりごと綴じ。でもメジャー寄りではないけどオンリーロンリーってほど稀有ないきものではない凡俗。珍獣程度だろうか、ありふれてる虫程度だろうか、自分ではよくわからない。

今年の変化は


みやこは数年前から自分の趣向なり嗜好なりが毎年変化していくなあと思っていたのだが、

今年は更に輪をかけた大変化の年だった。

みやこは、元々執着の蛇だったのだけど、慣れれば変化も苔落としにもなるし悪くない。ただ変化することに執着しないよう注意して、楽しく全力で味わい、卒業と変化のときが来たら自然と新しいものもできるようになればいい。


今年。


まずは仕事をした。

恋をした。

一生ないと思っていたのに、どこでどう転がるか本当にわからない。

去年あれほどまで描いて築いた二次元を全て投げ打って、三次元に飛び込んだ。

見た目を気にするようになった。

化粧は相変わらずできないけど、

服を選ぶ。

まずは安い服を手当たり次第、試着試着の挙句に厳選して、

それから安物で手に入らないものを、知ってはいたけど、手を伸ばしてみた。それを手に入れる力があるのだから。

初めて美容院行ったみたり、普通レベルの服を買えるようになったり。

あとは美味しい飯屋を知ってる知人ができたから美味いものを食いに行く。今まで知らない味、食材。

みやこはエコ野郎だったから草ばかりで、肉に合うものや食い合わせなど。

今はストールを巻く練習をしている。

あと大元となる部屋の片付けが、ついに終了した。

8年前の捨てられない、とにかくなんでもとっておく汚部屋学生からスタートし、

一月に一度の大掃除、だんだん三ヶ月に一度、半年に一度となり、一年に一度となり、そうやって大規模な、本当に大規模な大掃除を繰り返すたびよくぞここまでありとあらゆるものを捨てられずに来た、

1日に読みきれなかった新聞、捨てられない段ボールに包装紙、親の買ってくる服、小さい頃のぬいぐるみやオモチャ、学校のプリント、参考書、意味不明の小物、

次から次へと処分するものが出てきて、今年はついにベッド回りと本棚(定期)、

そして最後に机回りと8年分の薄い本。

最後の記念にイベント遠征し、観光もし、人生初めてアクセサリーを買い、ツイッターをやめてからの、机回りと薄い本。

もうこまめな定期掃除以外、大掃除するものは無い。あとは必要なものしかない。


この間は友だちが3Dレーザープリンタで平面から立体に組み立てるのを見てくれて、作ってみた。

三次元は難しい。

平面と線と面と色と奥行きのない形だけなら自信があるのに、そこに手触りとか組み立てや高さが入ると途端に停止してしまう極端なみやこOSだ。

少しずつ。

少しずつ。


あとは運動。

毎日ラジオ体操+αをして、マッサージしたり、時には筋トレとかプールで体を動かすようにした。

去年よりも仕事もあって更に5キロ痩せたし、去年より朝起きるのもそもそも体を動かすのがつらくない。

このメリットを体感したのは大きい。


みやこは綺麗になってやるのだ。

ひねくれみやこは、ひねくれてても、本当は認められ、愛されたかった。

愛してくれるものがいるなら、愛してほしかった。

お犬様死んでしまったし。

都合のいい、なんでも願いが叶うなら楽に生きたい。

ずっと目を背けて1人で平気、1人が好きから続けてきた挑戦は、恋という突然の爆弾に、結局みやこも人の子なのだという諦めを突きつけられた。

今はもう認めざるを得ない。


でも、みやこはただじゃ起き上がらないだろう。

今まで目を背け反抗し嫌いだった見目の良さも、味方にしてやるのだ。取り込んでやるのだ。上品さとか姿勢とか。

家庭的とか女子力で覆われていた自活力や、生活力も。

保険とか金融とかのサービスも。ゲームも。勉強も。あと星占いとか(笑)

いくらでも学び試し金で買って享受して身につけてやる。


この世は勝負だ。


もうみやこは落ちるとこまで落ちた。精神的な暴かれたくなかったサガまで、恥部まで受け入れた。昔の自分が今の自分を見たら、自分だと思わないだろう。びっくりするだろう。

プライドなんてない。いくらでも形を変えて、自由に、好きに、楽しく生きてやる。


恋を知って盲目になりピエロになりひとり踊り泣き、泣き、泣き、泣いてばかりいた恋だった。

毎月のようにもう終わりだこんな不毛なことやめるのだと思いながら、相手にされてもいないけれど振られもしない飼い殺しのまま、あの優しい優柔不断でどうしようもない男が、それでもまだ好きで、

いや本当は恋に落ちて、味わったことのない甘さを自分でも求めているのだと知り、引き返せないだけかもしれない、他に好きになれそうな男もいないから。


ただ愛される準備も、1人で生きていく準備も、女の子たちと楽しくぱーっとやる準備も、ただどんな未来にも対処できるようみやこは備えるだけ。


ああとても変な恋だった。

どこからどう話せばいいのか。

でもありふれた恋だった。

自分事でなければ、きっとこの程度どこにでも転がってるはずだ。

そしていろんなことを教えてくれた。本当に、いろんなことを。

まさかみやこの中に女の子がいたなんて。

そりゃあ話すなら男より女だけどさ。

少なくとも恋に悩む人たちの尽きない悩みの切実さがわかるようになった。


まだ気持ちは引きはがせない。

でもまだ時間はあるのだから、どう転がってもいいように、期待もせずただ笑って、綺麗になる努力を続けよう。

なにもしらない。お手本もない。

ならば手当たり次第ゴーだ、ゴー。


今年の変化は、本当に、びっくりだ。